こんにちは!みおです。
うちの娘は9ヶ月の終わりころには歩き始め、1歳の誕生日の頃は走り回るほどお転婆でした。
そんな娘ですが、1歳の誕生日を迎えてすぐに手術をしています。
病名は『鼠径ヘルニア(そけいへるにあ)』といって、小児外科ではわりとポピュラーな病気らしいのですが、でもやはり初めての子育てで「手術」となると親としてはいろいろと心配や不安が多かったです。
そこでこの記事では、うちの娘がどのように『鼠径ヘルニア』がみつかり、その後手術までどのような事に気を付けて生活をしていたかをご紹介します。
初めての子育てや、初めての手術などで不安抱えている方のお役に立てれば嬉しいです。
子供のおなかに異変が!鼠径ヘルニアを発見した時の様子と症状
娘は私たち夫婦にとって初めての子で、転勤族のわが家には近所に頼る実家や親戚もいない状況だったので、毎日のように夫と二人で育児に奮闘していました。
娘のおなかに異変を見つけたとき
その日は娘はまだ10ヶ月ほどでした。
たまたま主人が娘のお風呂を担当していたところ、いつものように娘の鳴き声が。
その直後でした。
お風呂場から夫の声がして
夫「〇〇(娘)ってこんなにお腹出てるっけ?」
私「なに言ってんの!お腹ぽーんって出てるでしょ!笑」
夫「でも、これ出すぎじゃない?」
私:すぐにお風呂場に行き「えっ???ナニコレ???」
そこで見たのは、いつもの白くてぽよぽよしている可愛いお腹ではなく、
皮ふの内側からピンポン玉のようなものが飛び出そうとしているような、皮膚がパンパンに張って赤く、そして表面がツルツルと光っていました。
お腹に異変が見つかったときの娘の様子や症状は
娘は主人とお風呂に入るのが嫌なのか、泣いていました。(この時期はほぼ毎回泣いていました。)
まだ10ヶ月ですので言葉のしゃべれないし、泣いているのでまだ元気はある様子でぐったりはしていません。
とりあえずお風呂から上がり、私が抱きかかえてあやしてからオムツを履かせようと
布団の上に横にすると、先までのお腹のでっぱりがなくなっていました。
私は元養護教諭なので、学生時代に授業で小児科の勉強をしています。
昔の知識を総動員し、ネットで娘に今起きている症状を調べ、
『鼠径ヘルニア』の可能性が強いと考えました。
鼠径ヘルニアとはどんな病気なの?
特定非営利活動法人小児外科学会によると
鼠径(そけい)ヘルニア(脱腸,だっちょう)
引用元 日本小児外科学会
お腹の中にある臓器(小腸,大腸,大網という膜,女児であれば卵巣,卵管)が飛び出してきて,鼠径部が腫れてくる病気を鼠径ヘルニア(脱腸)といいます.こどもの外科手術では一番多い病気です.発生率はこどもの1~5%とされています. 原因は腹膜鞘状突起という腹膜の出っ張りが鼠径部に残っていることにあります.腹膜鞘状突起は,胎生期後半に精巣が腎臓の下あたりから鼠径部に下降して 来る時に,腹膜が鼠径部に伸びてできたものです.女児に精巣下降はありませんが,同じ現象が発生します.精巣が陰嚢内に下降した後は,多くの場合は自然に 閉鎖してしまいます.右にも左にも出ることがあり,両側に認めることもあります.片側の鼠径ヘルニアの手術後,反対側に鼠径ヘルニアが出てくる確率は 10%程度といわれています.性別では男児だけでなく女児にも同様にみとめます.
ヘルニアのとおり道には狭い場所があり,飛び出した臓器がこの狭い場所で締め付けられ,飛び出した組織の血流が悪くなることがあり,これをヘルニア嵌頓 といいます.一度,ヘルニア嵌頓を起こすと脱出した臓器はむくみ,硬くなりお腹の中に戻りにくくなります.こどもは痛みのため,不機嫌になります.このよ うな時は両親が,慌てずに抱っこなどして泣かさないようにしてから,時刻に関係なく直ぐに主治医に連絡してください.
年少児の鼠径ヘルニアは自然に治ることもあるといわれていますが,自然に治ることを過度に期待して手術時期を遅らすことは良くありません.原則として, 嵌頓傾向のないこどもさんの場合,施設により異なりますが生後4~6ヶ月以降に予定手術としますが,少しでも戻りにくい場合は早期に手術しても問題はあり ません.入院期間は1-5日程度で,日帰り手術の施設もあります.手術はヘルニアの原因になっている腹膜の出っ張りをなくし腹圧がかかってもお腹の臓器が 脱出しないようにします.
鼠径ヘルニア手術は,簡単な手術のように考えられがちですが,専門的には難しい側面が多く,小児専門施設での治療が不可欠です.
発生率は子供の1~5%ということなので、学級に例えると鼠径ヘルニアを発症する子はクラスに1~2人いても不思議じゃないといったところですね。
また鼠径ヘルニアは子供だけではなく、大人になってからも起こる病気です。
一般的には「脱腸」とよばれていて、うちの子のように赤ちゃんの時に出る場合もあれば、小学生以降になって初めて出る人もいるようです。
うちの娘が鼠径ヘルニアになった日の症状
お風呂上がりで泣き疲れたのか、娘は間もなく眠ってしまいました。
ネットで調べた情報と夜ということもあり、ひとまず緊急性はないと思ったので翌朝受診することにしました。
しかし、もしものために夜間外来の電話番号と、保険証、お財布、免許証を準備し、すぐに着かえられるに子供の衣類と自分の衣類を枕元へ用意しておきました。
お腹のでっぱりもへこんだままでしたが、やはり気になったので夜中に何度も起きてお腹の様子を確認しました。
鼠径ヘルニアは何科を受診するの?
鼠径ヘルニアは手術が必要な病気なので外科を受診することになりますが、うちの子のように幼い子供の場合は小児外科を受診します。
小児外科ってなに?
ところで小児外科ってどんな科なのでしょう?
小児外科は0歳から15歳まで(16歳未満)の子どもの治療を行う一般外科です。
日本小児外科学会
「こどもはおとなのミニチュアではない」 小児外科を説明するときによく使われる言葉ですが,これほど適切に小児外科の特質をあらわした言葉はありません.
こどもはおとなに比べてからだが小さく,とくに新生児・未熟児では非常に繊細な手術のテクニックが必要です.おとなの手術と同じ方法ではこどもの手術は行えません.
しかしもっと大事なことは,こどものからだはおとなのように完成したものではないことです.肺・腎臓・肝臓など身体のあらゆる臓器が発育の途中にあり機能が未熟です.また,身体の機能の調節のしかたもうまくありません.しかも,発育に伴ってこれらの機能はどんどん変化してゆきます.このような子供の特徴を十分に知った上で手術前後の治療をしなければなりません.薬の使い方・点滴のしかたなどあらゆる面でおとなの常識は通用しません.これが小児外科が独立した大きな理由です.
また身体の発育だけでなく,こどもは精神的・心理的にも発育の途上にあり,この点も十分に考慮しなければなりません.手術という,こどもにとっては大きな試練を無事に乗り切るための精神・心理的な援助も小児外科医は考えています.
こどもについての専門的な知識を持った外科医,それが小児外科医であり,将来をになうこども達を誇りと情熱をもって治療しています.
娘が鼠径ヘルニアの疑いで小児外科を受診したときの様子
わが家はたまたま近くに小児外科の専門医のいる小児科医院があったので、先生の評判のよかったのもあり翌日受診することにしました。
主治医となった医師は、ふだんは小児科の治療をされていますが、私たちが住んでいた地区では唯一小児外科の専門医でした。
診察結果はやはり…!
ひと晩お腹のでっぱりも起きずに眠っていた娘ですが、朝起きて歩いたり泣いたりするとまた下腹部がポコっと出っ張るときがありました。
そこで朝一で小児外科を受診すると、医師から『鼠径ヘルニア』と診断されました。
そこで医師に告げられたことは
- 根治には手術が必要なこと
- 脱腸が起こったら、早目に親が手で押し戻すこと
- 親が手で押し戻すことが出来ない場合は、早目に医療機関を受診すること
- 脱腸が戻らないと、はみ出した臓器に血流が行かなくなるため壊死をする場合があり、その場合は命の危険もあるので緊急手術になる場合もあること
- この、脱腸した臓器が元に戻らなくなる状態を「嵌頓(かんとん)」という
でした。
この小児科では手術施設がないため、手術が必要な場合はそこから車で2時間ほどかかる大学病院を紹介してくれます。
この医師は小児外科の専門医だったので、手術ができる専門機関との連携もスムーズで、手術前に必要な血液検査などは自宅近くのこの病院で診てもらいました。
子供が鼠径ヘルニアになったときうちで気を付けたこと
娘が鼠径ヘルニアで、手術が必要なことからすぐ大学病院を受診して手術の予約を取りました。
手術は初めて鼠径ヘルニアに気づいてから約2ヶ月後でした。
それまでの間も娘は何度も脱腸を起こし、そして嵌頓(かんとん)と思われる症状で私たち親では脱腸を戻せず、何度も病院へ駆け込みました。
娘が嵌頓(かんとん)を起こしたとき
うちの娘はどうやら嵌頓(かんとん)ヘルニアといわれる、脱腸したら元に戻しにくい体質だったようです。
この頃はまだ生後11ヶ月程の娘は言葉もしゃべらないので、嵌頓(かんとん)をおこすと
「う~…う~…」と低くて弱々しい声でうなるように声を出し、ぐったりとしていました。
日中かかりつけ医が開業している時間であれば、先に病院へ電話連絡をして緊急で診てもらえるように手配して病院へ駆けつけました。
夜中であれば、まずは夜間外来の小児科を受診。
しかし、4~5回夜間外来を受診しましたが、素早く脱腸を戻すことが出来る場合もあれば、難しい場合もありました。
夜間外来の担当医が娘の主治医に電話をかけ、指示を仰ぎながら娘の脱腸を押し戻したり、点滴で麻酔をしながら戻すこともありました。
(主治医がたまたま会合などで近くにいなかった場合)
その時
「もし麻酔かけても僕(医師)が戻せなかったら、ドクターヘリで大学病院まで飛んでもらいます」
と言われたことも…!!
(実際は麻酔をかけてなんとか元に戻すことが出来ました。でも、小さな娘のからだに医師がかなりの力を指先にかけて押し戻している姿は見ていて辛かったです。
娘の状態がこのような感じだったので、わが家では手術までのこのようなことに気を付けました。
- 娘をできるだけ泣かせないようにする(泣くと腹圧がかかり脱腸をおこすため)
- 授乳の間隔があかないようにし、できるだけぐずったり泣いたりする時間を減らす
- 主人仕事で泊りの時があったので、そういう時はタクシーで病院へ行けるよう夜中も家まで来てくれるタクシー会社を探し、電話の近くにメモを貼っておく
- 主人が家や宴会でお酒を飲まなくなった。なぜなら、夜中に嵌頓(かんとん)を起こしたとき、娘をチャイルドシートに座らせるのは困難なため、私が抱っこで主人が車を運転するため
こうして、主人の協力もあり手術を終えるまでの間は嵌頓(かんとん)にならないようにとても気を遣いながら過ごしました。
子供が鼠径ヘルニアになったときのかかりつけ医の神対応
嵌頓(かんとん)が起こりやすい娘の鼠径ヘルニアのため、主治医となった近くの小児外科の医師は、夜間でも夜間担当医でなくても直接主治医に連絡がとれるよう携帯番号を教えてくださいました。
これは娘が嵌頓(かんとん)を起こして何度も夜間当番医を受診したり、1つの病院では脱腸を押し戻すことが出来ずに病院をたらい回しにされたことがあったので、娘の命の危険を回避するために善意で医師が教えてくれたものでした。
手術までの約2ヶ月で、この小児外科医の携帯電話に直接連絡を取ったのは1度だけありました。
たまたま主人も家にいて夜中に娘が嵌頓(かんとん)を起こしたとき、私も主人もどうにも脱腸を押し戻せなかったので医師へ連絡をし、夜中にもかかわらず病院を開けて診察をしてもらいました。
子供が鼠径ヘルニアの手術をしたときの体験談
手術は自宅から車で2時間ほどはなれた大学病院で行いました。
その時娘は1歳の誕生日を迎えたばかりでしたので、術後一泊入院をするのに私が付き添いました。
主人は何かあったときや送迎のために、仕事を休み大学病院近くのビジネスホテルへ宿泊し待機してくれました。
生後12ヶ月の娘の手術はどんな様子だったか
手術を行う日は昼に病院へ到着し、麻酔科の先生から全身麻酔についての説明を受け、その後麻酔を施し夕方に手術が終わるという流れでした。
娘はご機嫌で、病院へ早目に到着したので病院の外を散歩したりおやつを食べてリラックスして過ごしました。
手術も予定通り進み、麻酔からも無事に覚め病室のベッドで過ごすことになるのですが、腕に点滴のチューブをぐるぐる巻きに貼り付けられ、動きが少し不自由でしたがベッドの上で元気に過ごしていました。
鼠径ヘルニアの手術で入院する娘の付き添いで泊まるとき用意したもの
入院は娘の食事、娘のベッド、布団しかなかったため、付き添いで一泊した私が準備したものは
私は手術当日のお風呂には入れないことを覚悟していましたが、主人が宿泊先のホテルの部屋でシャワーを浴びてきたら?と言ってくれました。
しかし、娘が目覚めたときにそばに居てあげたかったのでシャワーへは行きませんでした。
1歳の娘が鼠径ヘルニアの手術をしたその後の様子
娘の手術も無事に済み、退院後また近くの小児外科へ受診したところ、特に問題はなさそうだということでした。
ただ、再発または反対側の発症の可能性がゼロではないので、心配がなくなったわけではないですが手術から数年経た今も再発や反対側の発症は起きていません。
鼠径ヘルニアは腹圧がかかるとよく脱腸を起こすので、鉄棒などの運動は避けるよう言われていますが、1歳になったばかりの娘はまだ鉄棒で遊ぶ年齢でもなかったので、特に日常生活で注意することもありませんでした。
小さな体に手術を行うので、はじめは不安もありましたが手術後は普通に生活もできるし、夜中に何度も嵌頓(かんとん)を起こして病院を受診していたことを思うと、手術が無事に済んでよかったな、とほっとしています。
この記事が少しでもお役に立てますように。
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